ファブル(ネタバレあり)~プロフェッショナルとド素人たち

ザ・ファブル

2017年度講談社漫画賞を受賞した南勝久原作の人気コミックを岡田准一主演で実写映画化。超人的な戦闘能力を持つ伝説の殺し屋ファブルは、育ての親であるボスから、1年間殺し屋を休業して普通の人間として生活するよう命じられる。もし誰かを殺したらボスによって処分されてしまうという厳しい条件の中、「佐藤アキラ」という偽名と、相棒ヨウコと兄妹という設定を与えられ、大阪で暮らしはじめたファブルは、生まれて初めての日常生活に悪戦苦闘。そんな中、偶然知り合った女性ミサキがある事件に巻き込まれたことから、ファブルは再び裏社会に乗り込んでいく。相棒ヨウコを木村文乃、ボスを佐藤浩市が演じるほか、山本美月福士蒼汰柳楽優弥向井理ら豪華キャストが集結。カンヌをはじめ数々の広告祭で受賞歴を持つCM界の巨匠・江口カンが監督を務め、「20世紀少年」「GANTZ」の渡辺雄介が脚本を手がける。

2019年製作/123分/G/日本 配給:松竹 

 

近頃は腰が痛みます。

 

 良いアクション映画でしたよ。

 原作と比べてかなりコメディよりな演出になってると思いますが。

 

 アバンタイトルのアクションシーンも、「プロってあんな堂々と大量虐殺するの」と思いつつ、2時間の尺でファブルの超人性を見せるにはちょうど良かったかも。弾丸の方向と、狙う場所、当たる確率?が画面に出る演出は面白かったですね。ほかの映画でも見たような気がするんだけど思い出せません。

 

 この後の、弾丸に残ったライフルマークが証拠にならない様、ナイトホークの銃身だけ海に捨てるんですが、重心が沈んだ先には同じような銃身が沢山あって、どれだけ仕事をこなしてきたかも解る洒落たオープニングタイトルでしたよ。

 

 かようにファブルのプロっぷりは丁寧に描写されるんです、本人も自覚的に常に「プロとして」と口にしますし、ボスに普通の人として暮らすよう言われればプロとして普通に振舞うよう努めますし。

 

 それに比べて、他の自称プロたちの体たらくが如何ともし難いと云いますか。ヤクザは一様にサラリーマンのようですし、ほかの殺し屋はバカみたいだし、ヨウコは飲んでるだけだし、大丈夫なのかこの人たち?と思わずにはいられません。

 

 のびのびと楽し気に、暴力と悪意をまき散らし己が欲望以外何も考えず行動する小島のほうがよっぽどプロのヤクザに見えます。『仁義の墓場』の石川力夫ですよ。柳楽優弥楽しそうだったなぁ。見て無いですけど『ディストラクションベイビーズ』もこんな感じなのかしら。

 

 特にフードとコードですか、あの2人の殺し屋の演出がもうホントに見てて恥ずかしくて、後半のミサキを追い詰めたコードの芝居がもう本当キツくてキツくて、今どきこんな演出するの?マジ?と共感性羞恥で死にそうになりながら福士蒼汰木村了に同情しましたよ。「ああ、だから俺邦画あんまり見ないんだった」なんて改めて考えながら。

 まぁキレてる殺し屋の芝居、て云うとあんな感じにならざるを得ないのかしら。あ、もしかしたらファブルと云う殺し屋の存在の特異性を際立たせるための演出なのか。だったらごめんなさい。

 

 あと、オープニングとクライマックスのアクションですが、集団でのアクションが見ずらいと云うか、せっかく凄いアクションをしているのに、ごちゃごちゃして分かりずらいんですよね。なんか勿体ないなと思いましたよ。

 

 でもアクション映画としてはホント面白かったですよ。

 

 ファブルが岡田准一と聞いて、いい男過ぎね?なんて思いましたが、すごくしっくり来てましたよ。体もよく動くし。アクションスターとしてホントすげえなと感心しました。SPも見ようかな。

 

ではまた。